杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

【研究報告】当院の血小板凝集能検査の有用性に関する検討(改訂版)   

2009/08/16

6月17日より導入したレーザ−散乱粒子計測法による新しい血小板凝集能検査の有用性について検討したところ、患者94人中、40.4%と高率に血小板凝集能亢進がみられた。正常女性では6.7%であり、p=0.001、オッズ比9.5で、統計学的に有意であった。特に、抗PE抗体陽性と第XII因子欠乏患者の血小板凝集能が亢進していた (p=0.017, オッズ比5.5)。この事より、不育症患者では、血流が悪い可能性が示唆され、抗血小板薬であるアスピリンの有用性の根拠が示唆されたと言える。
また、最近1ヶ月の当院における主な検査異常の頻度は、下記のとおりである。


抗PE抗体陽性    30.9%
第12因子欠乏    24.5%
プロテインS欠乏  21.3%
プロテインC欠乏 1.1%
抗CL抗体陽性    7.4%
上記の従来検査で、何れかが陽性     53.2%


従来の検査では全く異常がなかったが、血小板凝集能のみ陽性であった患者は、19.1%にのぼり、これにより、当院の検査で何らかの異常が見出される確率は、53.2+19.1=72.3%と飛躍的に向上した。


但し、検査異常イコール不育症の原因では無いので、短絡的に血小板凝集能亢進が原因で流産を起こすと考えるのは早急であるので、注意が必要。
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