杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

抗第XII因子抗体検査(ウエスタンブロット法)を開始しました。

2013/05/15

当院不育症研究所で開発していた新しい検査である、抗第XII因子抗体検査の測定法が確立し、当院の不育症検査として検査可能になりました。第XII因子欠乏の治療方針を検討する上で、重要な検査と思います。以前より、第XII因子の正常値は60%以上なのか、50%以上なのかなどの質問がありましたが、当院の研究によると、病原性を知る上で重要なのは、第XII因子の数値よりも抗第XII因子抗体の有無であるとお答えしてきましたが、今回、その検査法をやっと確立する事ができました。昨年から、ELISA法での検査を一生懸命模索してきましたが、残念ながら断念し、今年からウエスタンブロット法の検査法の開発に取り組み、今回、やっと実用化にこぎ着ける事が出来ました。ELISA法に比べ、ウエスタンブロット法は検査に時間と熟練を要し、一般的にはELISA法で陽性にでた場合の確認検査として行われる事が多いのですが、ELISA法の検査がうまくいかなかったので、、格上のウエスタンブロット法を導入する事になりました。この検査に使用する試薬は、何と0.5mlで17万円もします。ヨーロッパから−70度で凍結して輸入していますので、今後、円安が進めば、値段が上がる可能性もあります。検査も非常に時間がかかるので、検査費用はかなり高額にせざるを得ないのですが、先ずは8400円で頑張ろうと思います。皆さんの負担が増え、申し訳無いと思いますが、抗PE抗体同様、私が開発した検査ですので、その検査で得られた新しい知見は、学会で逐一報告し、不育症診療の発展に寄与したいと思います。取り敢えず、これまで得られた抗第XII因子抗体の研究報告は、今年の秋の日本生殖医学会と日本生殖免疫学会で発表予定です。
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