杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

オウム真理教と不育症診療の不思議な接点

2014/01/22

最近、オウム真理教の裁判の報道が新聞などに出ていますが、それを読むと何故か私は不育症診療の問題点との共通点を見出してしまうのです。オウム真理教事件で世間を驚かせたのは、理系の優秀な学生が事件に関わったと言う事でした。当時、彼らの指導教授のコメントを聞いて、私は非常に違和感を感じていました。指導教授がインタビューでコメントしていた内容は、麻原彰晃が空中浮遊したのを見たという自分の教え子に対し、そんな非科学的な事があるものかと一喝したにも関わらず、学生は自分の忠告を聞き入れず、犯罪に走ってしまったと言う言い訳でした。この対応は、科学者としては問題が多いと、私は同業者として感じていました。空中浮遊が非科学的と決めつけて良いのだろうか。現在の科学で説明出来ない事を非科学的と言って良いのか。まだ未知のエネルギーは当然存在するはずであるし、少なくとも、自分の学生がそう感じたのだから、未知の原理を使い本当に飛んだのかも知れないし、さもなければそう見える様なイルージョンのトリックがあるのかも知れない。真っ向から馬鹿にして否定するのは科学者の態度では無いと思うのです。その追究無くして、はなから馬鹿にして否定するから、自分の学生が愛想をつかしてオウム真理教に取り込まれて犯罪を犯してしまった訳で、きちんとした科学者が指導教授なら、それを阻止出来た様な気がします。少なくとも、本当に空中浮遊したのかしないのかは置いておいて、だからと言ってテロを正当化する事は出来ないという指導は出来たと思います。最初から聞く耳持たずに否定するから、師弟関係が崩壊したと感じます。不育症診療も、科学者としてのトレーニングを受けた事の無い一部の医師の中には、今だに聞く耳持たず、否定する人もいるようです。しかしながら、すでに不育症診療は世界的に認知されており、否定されても困ります。研究も論文も沢山ありますので、否定するためにはかなりの根拠が必要です。当院の患者さんから聞いた話では、不育症診療について質問するだけでキレる医師もいるそうです。科学者の資質で大切な事は、頭が軟らかい事です。何でも最初から否定したり、決めつける人は、向いていません。
オウム真理教の報道を見て、不育症の問題点を思い起こす私も、かなり変な科学者かも知れません。今、ニュースを聞いていたらこんな事を思ったので、書いてみました。
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