杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

血小板凝集能検査の感度を上げる事に成功しました。

2015/11/29

当院の血小板凝集能検査は、レーザー散乱粒子計測法と言って、従来の吸光度を測定する方法の100倍の感度があります(高級車1台余裕で買えます)。さらに、最近当院研究所は、血小板をγ-トロンビンで刺激する事により、感度を上げる事に成功しました。血小板を刺激する試薬は、一般的にADPやコラーゲンが使用されますが、実際に生体内で血小板を刺激する物質は、トロンビンです。抗PE抗体や抗第XII因子抗体も、トロンビン受容体を介して血小板を刺激します。したがって、ADPやコラーゲンの刺激は、生体内の条件を反映していないので、不育症検査には不適切かもしれません。しかし、トロンビンを添加すると、血小板だけでなく、凝固因子も刺激されて固まり、検査ができませんでした。そこで、当院では、血小板のみを刺激し、凝固因子は刺激しないγ-トロンビンを用いることにより、測定法の感度を上げる事に成功しました。γ-トロンビンはヨーロッパから直輸入しているので、非常に高価ですが、今回は検査費用据え置きで頑張ります。
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