杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

Th1/Th2、NK細胞活性検査について。

2016/02/24

最近、当院でTh1/Th2や、NK細胞活性検査ができないのかという問い合わせがしばしばあります。結論から言えば、当院で検査をする事は可能です。しかしながら、不育症学級改訂版の109ページに書いてあるように、これらの検査を診断、治療方針決定に使うのは不適切です。これらの検査は、15年以上前に我々の研究室でも検討し、あまりにもバラツキが大きく、検査として使うのは不適切という結論が出た、古い検査です。不育症の分野で捨てられた検査が、不妊、着床障害の検査として今頃、最先端の検査扱いで使用されだした事が驚きです。末梢血リンパ球のTh1/Th2バランスのみで不育症、着床障害を語るのは、あまりにも単純すぎます。20年前はそうだったのですが、科学は進歩し、今は、Th1/Th2/Th17/Tregのバランスを見る事が求められています。当院は、そのTreg(制御性T細胞)検査も可能ですが、まだ研究段階であり、不育症診療に取り入れ、診断に使うのは、現時点では極めて不適切です。誤診、過剰診療のリスクが高いです。もし検査する場合、生理周期のいつ頃に検査するかで、結果が全く異なるので、注意が必要です。いつでもできる血液検査ではありません。検査数も限られており、希望者全員に検査する事も出来ませんので、ご了承下さい。
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