杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

血液凝固系検査に対する注意事項

2015/09/16

最近、不育症検査を行うクリニックも増えており、喜ばしい限りです。しかしながら、不育症検査は、検査伝票にチェックを入れてオーダーすれば、自動的に信頼出来るデータがでる訳ではありません。特に、血液凝固系検査は、採血した直後から注射器や試験管の中で凝固が始まるため、採血の手技と、採血直後の処理、測定が重要です。当院は、ラボが併設され、不育症専門の臨床検査技師が待機しており、採血直後に測定を行ったり、適切に処理しています。これをしないで、採血した血液を放置し、夜に回収に来た検査会社に提出しても、信頼出来るデータは出ません。従って、不育症の診療を行うためには、それなりの知識、設備、熟練した技師が不可欠です。最近、当院を受診した患者さんが持ってくる前医の検査データで、検査が不適切に行われているケースが多く、結局当院で再検査になる場合が多いです。前医において、採血直後の処理が適切でないため、試験管の中で血液が凝固し、いかにも体内に血栓傾向がある様なデータが出て、アスピリンやヘパリン療法の方針を提示された方が当院を受診し、当院で再検査すると、全く正常である事が多々あります。誤診を防ぐために、検査マニュアルをしっかり守った検査体制が不可欠です。
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