杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

「不育症検査の信頼性を確認する方法」についての院長コメント

2011/02/03

1月26日のインフォメーションに書いた、「不育症検査の信頼性を確認する方法」ですが、当院通院中の方から、ネットで大騒ぎになっているという話を聞きました。反響の大きさに少々焦っていますが、本当の事なので、ここは一つ開き直ることにしました。
何が問題だと、ループスアンチコアグラント(dRVVT法)の数値が1.0未満になってしまうのかは、単純な問題ではありません。パラパラの炒飯はどうやったら作れるのかという質問に通じるものがあります。ベチャベチャの炒飯しか出来なかった場合、米の質、油の質、中華鍋の質、火力、手際などなど、いろいろなポイントがあり、どれが悪くても、絶妙の炒飯はできません。ループスアンチコアグラントの検査も同様です。血管の状況、採血の手技、血漿の分離法、血漿の保存法、検査会社への搬送法、検査技師の熟練、検査キットの精度など、全てがそろって良い結果が出ます。
今までも、当院の見学に来た若手産婦人科医は何人かいますが、当院で研修すれば、全て教えます。美味しい炒飯の作り方を学ぶのは、良い料理人の店で修行する必要があるのと同じです。私も、アメリカの研究所で修行しましたし、アメリカの研究所のやり方を改善もしました。(改善は日本人の得意分野です。検査の精度は、日本人の方が上と思います。お箸の国の人ですから。)
私は、研究者として血液凝固系の検査法は熟知しています。自分で実際に試験管を振った経験があるので、医学実験、臨床検査は得意分野です。実は、当院の研究所でもループスアンチコアグラントは測れます。専用の器械はあるのですが、今は眠っています。いずれ、大事な検査は、自分の研究室で行いたいと密かに企んでいます。また、新しい検査を開発したいとも思っています。
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