杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

11月は流産率が低いらしいです。

2012/08/13

残暑お見舞い申し上げます。
先日、慶応大の先輩で、元藤田保健衛生大学教授の中沢先生と話をする機会があり、その時に先生の研究結果を聞き、興味深いデータを教えてもらったのでここに紹介します。

先生は、横浜の病院を受診した自然妊娠の妊婦約2500人の流産率を検討したところ、10月と11月に最終月経があって妊娠した女性の流産率が7%で、他の月の流産率 (16~22%)の半分以下になり、有意に低かったと言うのです。グラフを院長コラムに載せます。
http://www.sugi-wc.jp/column/webdir/81.html
したがって、ヒトの生殖機能は、10~11月にベストとなると結論づけています。

ニホンザルは、10~12月が発情期で、他の月には殆ど妊娠しない事が知られています。そうすると、暖かい夏に分娩できるので、新生児は低温で死なないで済む訳です。人間でも、寒い1月~3月は分娩が一番少なく、産科医が一息つける時期であるということは常識です。人間もまだまだ野生が残っているというこでしょうか。
ところで、ニホンザルは殆ど夜中に分娩します。そうしないと、敵の絶好の餌食になるからでしょう。もっとも、動物園の飼育係の話では、たまに、真っ昼間に産んでいるサルもいるそうですが。ヒトも、多くは夜間に陣痛が来ます。だから、産科医は夜中が忙しいのです。
夏の夜中に産んだ人は、野生が多分に残っているのかもしれません。
冬の昼間に産まれたあなた、現代でなければ、生き残っていないかも。

そう言う訳で、夏が終わったら、チャンスです。皆さん、秋に備えて体調を整えましょう。

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