杉ウイメンズクリニック

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抗第XII因子抗体についての解説
2015/10/18(日)

不育症患者と着床障害患者における抗第XII因子抗体は、我々が世界で初めて発見し、抗体が第XII因子の血小板を抑える部位を認識する事を突き止め、国際医学雑誌に発表しました。従って、抗第XII因子抗体の測定は、当院研究所でしか出来ません。また、この抗体に関するデータは、全て英語の論文で報告しているため、ネットで検索しても殆ど情報は集まらないと思います。不育症学級改訂版には日本語で解説しましたので、興味のある方は、ご一読ください。一般の不育症外来では、第XII因子活性を測定するのが普通ですが、第XII因子活性が低下していた場合、それが本当に流産の原因なのか、国際的にも意見が分かれます。私は、第XII因子欠乏が本当の流産の原因ではなく、抗第XII因子抗体の存在が第XII因子欠乏を引き起こし、流産を引き起こすという仮説を国際医学雑誌に発表しました。この仮説は国際的に評価され、今年の6月に、トロントで開催された国際血栓止血学会に招待されて講演しました。今年の5月にも、抗第XII因子抗体の病原性に関する英語論文を出しました。当院では第XII因子が欠乏し、抗第XII因子抗体が陽性の場合、治療が必要であると考えています。最近、当院研究所は、抗第XII因子抗体が第XII因子の中の血管新生を促す部位を認識する事を突き止めました。来月の日本生殖免疫学会で発表予定です。抗第XII因子抗体が血管新生を促す部位を認識すれば、胎盤の血管新生が阻害され、流産を引き起こす可能性があります。抗第XII因子抗体は、不育症患者の約30%に見つかりますので、重要な抗体です。現在、当院研究所では、測定法の改良に取り組んでいます。不育症の新しい原因の解明、治療の開発に繋げたいと思います。

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