杉ウイメンズクリニック

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最近の当院の着床障害患者の治療成績は極めて良好です。(改訂しました)。
2017/05/01(月)

4月22日に当院の着床障害患者の治療成績を報告しましたが、実は、統計上のミスが見つかり、実際はもっと成績良好である事が分かりましたので、前回の記事を削除し、改めて報告します。

昨年の6月以降、当院を受診した1000人の初診患者さんの中で、着床障害の方の治療成績をまとめてみました。とは言っても、当院は不妊クリニックではありませんので、体外受精は行っていません。従って、他院で胚移植をした後の妊娠成功率などは正確には把握できないのですが、分かっただけでもかなり良好でしたので、ここに報告します。

過去に5回以上胚移植したのに、1度も妊娠できなかった着床障害の人は、36人いました。妊娠できなかったと言うのは、胎嚢が見えるところまでたどり着かなかったという意味です。過去の胚移植の回数は、5回から13回の人達で、平均7.06回で、強者ばかりです。

この中で、当院で行っている着床障害の抗体である、抗第XII因子抗体と抗プロテインS抗体について検討しました。抗第XII因子抗体陽性者は22.2%、抗プロテインS抗体陽性者は30.6%でした。また、抗第XII因子抗体と抗プロテインS抗体のいずれか、または両方陽性者は、41.7%に上り、かなり高頻度でした。

抗第XII因子抗体陽性者中、当院の治療により、1回目の胚移植で妊娠した人は、50%、抗プロテインS抗体陽性者中、当院の治療により、1回目の胚移植で妊娠した人は、36.4%とかなり良好でした。抗第XII因子抗体と抗プロテインS抗体のいずれか、または両方陽性者では、40%が1回目の胚移植で妊娠しています。

ざっくりまとめると、平均7回移植しても妊娠しなかった人の約4割に抗第XII因子抗体や抗プロテインS抗体が見つかり、治療を行えば、約4割の人が次回の1回目の胚移植で妊娠した事になります。

この数字は、たまたま次回胚移植の結果を当院が把握できた範囲内なので、実際の成功率はもっと高いと思われますが、当院で把握している範囲内でも十分良好です。我々が把握できたのは、36人中8人で、約2割に過ぎません。残りの8割の人の移植の結果が分かれば、成功率はもっと増えます。また、上記成功率は、診断後1回目の胚移植でうまくいった成功率なので、2回目まで入れれば、もっと良好と思われます。

抗第XII因子抗体と抗プロテインS抗体は、着床障害の重要なリスクファクターの可能性があります。当院研究所の研究によると、これらの抗体は子宮内膜の血管新生を阻害し、良い内膜が出来ないために着床障害の原因になると考えています。第XII因子活性とプロテインS活性はどのクリニックでも測定できますが、抗体を測定できるのは当院だけです。何度良好胚を移植しても結果の出ない人達のブレークスルーになる事を期待します。

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