投与期間は我が国の添付文書では分娩前12週の投与は禁忌となっているため、妊娠28週までとするが、欧米では36週までの投与が一般的である。このような制限がなされているのは日本のみであるので、班員としては薬剤添付文書の改定を希望している。妊娠28週以降にアスピリン投与することで、胎児動脈管閉鎖が危惧されていたが、低用量アスピリンであれば、動脈管収縮がない事が研究で報告されている(Miyazaki, et al. J Obstet Gynecol Res. 2018;44:87-92)。そのため必要と判断すれば患者の同意を得て妊娠28週以降も継続してよいが、妊娠36週までを 目安とする。分娩時の出血傾向や麻酔合併症について配慮し、各施設の状況により 判断する。
追記2020年4月に産婦人科診療ガイドラインにおいて、アスピリンの28週以降の投与が認められました。www.sugi-wc.jp/news_disp.cgi
以上、最近の低用量アスピリン療法の動向を解説しました。
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