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着床障害の検査の解説。当院における、ERA、EMMA、ALICE、CD138検査、着床前スクリーニング (PGT-A) などの考え方。 |
2019/11/07(木) |
最近、色々な着床障害検査が行われる様になりました。特に、ERA、EMMA、ALICE検査が多く行われていますが、非常に高額な検査であり、有用性がまだ確立していないので、検査を受けるのか迷っている方も多いです。
ERA検査は、着床の窓がズレていないのか見る検査ですが、ズレていても、その原因は不明です。当院独自の検査は、ズレている原因が分かりますので、治療により、より根本的な解決を目指すことが可能です。
詳細は、10/22の記事をご覧ください。
www.sugi-wc.jp/news_disp.cgi
EMMA検査は、子宮内膜の細菌の種類と割合を調べる検査です。ALICE検査は、慢性子宮内膜炎に関与すると言われている病原菌がいるのか、調べる検査です。これらの検査で、もし細菌に異常があっても、それが実際に慢性子宮内膜炎を引き起こし、着床障害を引き起こしているのかまでは分かりません。一方、子宮内膜のCD138検査は、慢性子宮内膜炎の起炎菌は分かりませんが、実際に内膜に炎症を起こしているのかが分かります。従って、CD138陽性細胞があれば、抗生剤で叩き、陽性細胞が消えたことを確認して移植すれば、大丈夫です。CD138検査は、費用も約1万円ぐらいで、ERA、ALICE、EMMA検査よりも非常に安価で、実用的な検査です。
結局、ERA、EMMA、ALICE検査は、どれも着床障害の間接的な検査に過ぎません。私の個人的な意見では、当院独自の血液検査で、着床の窓がずれる原因を調べ、CD138で慢性子宮内膜炎の有無を調べると、着床障害は大体網羅できる印象です。CD138検査は、不妊検査の範疇なので、当院では行っていませんので、CD138検査の結果を持参して当院を受診すると効率的です。
ちなみに、着床障害の原因を、内膜側では無く、卵側にあると考え、着床前スクリーニング (PGT-A)をこっそり行っている方も多いですが、30代の方では、むしろ、正常な卵を検査のせいでダメにしている可能性も高く、あまり良い結果が出ていない様です。卵のせいにするより、上記の様な、子宮内膜側の検査をした方が、良いかもしれません。 |
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