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当院の患者さんで、胚盤胞2個移植はハイリスクです。【過去コラムより】

ホームページリニューアルに伴い、過去に掲載したコラムを引っ越しました。

体外受精の保険適応の関係もあり、胚盤胞を2個移植するケースが散見されます。
その場合、当然、双胎になる可能性は高まります。
皆さん限られた時間の中で熟慮したうえで2個移植を選択していることと思います。
しかし、判断材料となる情報が乏しく決断に悩む方や、移植前に双胎妊娠のリスクをきちんと説明されておらず後悔する方が見受けられます。
当院の不育症・着床障害患者さんで、2個移植を検討する時に家族で話し合って欲しい内容を以下に述べます。

双胎妊娠は、一般的に早産や妊娠高血圧症候群などの合併症リスクが高く、ハイリスク妊娠です。
出産時は予定帝王切開となる施設が多く、妊娠中から産後にかけて、単胎妊娠に比べて重点管理が必要となります。
当院の着床障害の患者さんで、当院の検査で血液凝固系やEGF関連抗体の項目で異常が見つかり、低用量アスピリンの方針になった人は、「当院における着床障害患者の治療成績」で報告した通り、次の移植で妊娠する確率が結構高いです。
当院の治療方針通りに低用量アスピリンを飲んで2個移植すると、アスピリンが奏功し、2個とも着床して双胎になって戻ってくる方が多いです。

また、不育症の方で、当院の検査で異常があり、アスピリンやヘパリンの方針となった方は、一般的な妊婦に比べて妊娠中の合併症リスクが高いです。
「単胎妊娠でも妊娠が維持できなかったので、次回妊娠は薬で介入して妊娠を維持しよう」と言う方なので、双胎妊娠になると薬には荷が重く、妊娠維持できるか心配です。

普通の不妊症の方と異なり、当院で検査し、診断し、薬が処方されたという事自体が普通の妊娠よりもハイリスクと言うことを意味します。
当院の患者さんで2個戻しを検討する時は、そこに双胎妊娠と言う別のハイリスクの状況を重ねるということを念頭に置いて、移植前に家族でよく検討してもらいたいと強く思います。
双胎となった場合は、当然、授かった2人とも無事に出産に漕ぎ着けるよう、当院としても治療を頑張ります。
決断に悩み、困った時は、当院の助産師にご相談ください。

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