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アスピリンは、気休め?それとも劇薬?【過去コラムより】

ホームページリニューアルに伴い、過去に掲載したコラムを引っ越しました。

不育症、着床障害領域において、低用量アスピリン療法は最も良く行われる治療です。
当院も、毎日お世話になっていますが、このアスピリンの評価が、人によって極端に異なるのが、大変興味深いです。

患者さんに良くある反応は、アスピリンはサプリみたいなもので、害もないが、気休めの域を出ない薬であると思っている人が多いです。
以前、私がアスピリン療法を提示すると、もっとドラスティックな提案をしろと言った人がいました。
また、前医で今まで色んな、それこそ”ドラスティック”な、エビデンスの無い治療を繰り返して結果が出ず、私が全てやめてアスピリンのみで試したところ、上手く行った人がいました。
しかし、その人は、後日、アスピリンなんかが効くわけが無いので、何故上手く行ったか分からないと言っていました。
いやいや、どう考えてもアスピリンでしょう。

一方で、医師は、アスピリンを劇薬と思っている人が少なく無いです。
最近まで、妊娠中にアスピリンを飲むと、大出血すると言っていた産科医がいました。
アスピリンを飲んで急に分娩になると、大出血すると思っている産科医は、いまだに多いです。
欧米では分娩まで飲む事が当たり前であり、帝王切開の場合でも直前まで飲みます。
私も開業する前、アスピリン飲んでいる妊婦の経膣分娩も帝王切開もやりましたが、出血多量で困った経験はありません。

アスピリンは、大変優れた薬であり、そもそもは、心筋梗塞、脳梗塞の薬なので、サプリ扱いするのもどうかと思います。
また、わざわざ杉ウイメンズクリニックに行っても、どうせアスピリンなんだから、かかりつけ医で貰えば行く必要なしと言う意見もありますが、診断しないで根拠なくアスピリンを飲んでも中々結果は出ません。
診断次第では、アスピリンでは足らないかも知れないし、血液凝固以外の全く別の疾患が見つかるかも知れないし、アスピリンの方針でも、分娩直前まで飲まなければいけないのか、もっと早くやめても良いのか、不明です。

根拠なくアスピリンを貰っても、根拠が無いので、産院に移った時点で中止になり、その後、流産した人もいました。
アスピリンは、医師なら誰でも処方できる薬ですが、重要なのは診断能力です。
診断しないでアスピリンを飲むのは素人でも出来ますし、診断しないで治療する事は医療とは言いません。

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