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プレドニンなどのステロイドを着床期に飲むと、妊娠率・生児獲得率が悪くなる可能性がある。コクランレビュー2020より【過去コラムより】

ホームページリニューアルに伴い、過去に掲載したコラムを引っ越しました。

プレドニンなどのステロイドを、着床率を上げるために移植5日前ぐらいから投与しているクリニックがありますが、コクランレビューによると、むしろ逆効果の可能性があります。
コクランレビューとは、医学論文のシステマティックレビューを行う国際的団体のコクランが作成しているもので、質の高いレビューとして定評があります。
我々専門医からかなり信頼されています。

右側にあるOdds Ratioのグラフですが、OR1は、”効果変わらず”を示します。
95%信頼領域を示す菱形が1をまたいでいるので、ステロイドを使っても、偽薬を使っても、生児獲得率に統計学的有意差が無いことが分かります。
しかし、よく見ると、ORは0.66で、菱形が1よりやや左にズレており、有意では無いとは言え、ステロイドの方が偽薬より成績が悪い事を示唆しています。

アスピリンの場合は、菱形が1にかからず、右にあるので、アスピリンの方が偽薬よりも有意に成績が良い事が分かります。

見較べて見て下さい。

コラム「胚移植からのヘパリン投与は着床障害に効くどころか、着床を邪魔する可能性がある」にて、着床期のヘパリン投与も、むしろ逆効果の可能性がある事を紹介しましたが、プレドニンも同様です。

エビデンスが無くても、1%でも妊娠率が上がる可能性があるのなら何でも試したいと言う意見も分かります。
過剰な治療はもし効かなかったとしても害は無いと思っている人が多いですが、むしろ逆効果の場合も多いので、注意が必要です。

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