杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

【祝!!】抗PE抗体発見15周年

2010/01/04

今では不育症の検査では欠かせない抗PE抗体ですが、私が1995年に発見した抗体です(自慢)。血液学の分野では世界で一番権威のある医学雑誌、Blood誌に1995年に発表しました。正確に言うと、キニノーゲンを認識する抗PE抗体を発見し、報告しました。その後、そのデータに基づき、抗PE抗体の測定法を開発し、今では全国の不育症患者さんの検査は、私が検査会社に教えた測定法で測られています。しかしながら、抗PE抗体陽性だからといって、必ず流産の原因になる訳ではありません。抗PE抗体のうち、病原性のあるものは、約60%にすぎません。それを見極めることが出来るのは、当院不育症研究所だけです。抗体の検査は、検査会社に検査を提出すれば誰でもできますが、その解釈は難しく、発見者の私が一番詳しいのは当然です。最近、私の抗PE抗体を測定し、的外れの診断、治療をしている施設もあり、抗体測定を商業ベースにのせるのは時期尚早であったのでは無いかと危惧しています。今後も当院でのエビデンスに基づいた診断を啓蒙したいと考えています。


Blood誌の論文は下記のURLで参照出来ます。


bloodjournal.hematologylibrary.org/cgi/reprint/86/8/3083
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