杉ウイメンズクリニック

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血液凝固系検査が信頼できるかを見分ける方法
2023/01/09(月)
血液凝固系検査は、採血後の処理をしないと無意味であると言いましたが、しなくても、比較的早めに検査会社に提出すればある程度マシなデータは得られます。簡単に血液凝固系検査の信頼性を見分ける方法があるので教えます。ループスアンチコアグラント (LA dRVVT法)は、1.2未満が正常値ですが、実は、スクリーン値/コンファーム値が1.0未満になることはありません。(Normalized Ratioの場合でも、0.95以上が望ましいです。)もし、0.9など、1.0未満の結果が出ていたら、信用できません。当院を受診した患者さんで、前医のLAの値が1.0未満の人の当院での再検査の結果は、全て1.0以上でした。前医では陰性でしたが、当院では陽性になった人もいました。また、もし受診している施設で、LA検査をやっていない場合は、その時点で転院をお勧めします。LAは必須な検査なので。
また、当院ではエビデンスレベルが低いため測定していませんが、NK細胞活性の検査で、10%未満の人は、採血した後、血液が長時間放置されていた可能性があります。NK細胞活性の正常値は、18~40%です。放置されている間にNK細胞が死んでしまい、活性が極端に減った事が考えられます。従って、同じ日に提出した他の検査項目も、信用しない方が良さそうです。
不妊、不育症専門クリニックの検査項目の多さを気にする人が多いですが、実は、正確に検査出来ているかの方が重要です。LA 0.9で陰性などと言う間違った結果を貰うよりは、いっそ検査しない方がマシだと思います。

www.sugi-wc.jp/column/webdir/257.html


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