杉ウイメンズクリニック　新横浜：不育症・習慣流産・子宮内胎児死亡・死産｜インフォメーション

妊娠中にタクロリムスを飲み、生まれた児が若年性皮膚筋炎と言う稀な難病を発症した方がいます。

2023/09/17(日)

妊娠初期から分娩までタクロリムスを飲み、生まれた児が２才で若年性皮膚筋炎と言う難病の膠原病を発症した方が受診されました。この方は、タクロリムスと言う強力な免疫抑制剤を妊娠中に飲まなければいけない様な基礎疾患は無く、妊娠維持のために念のため飲んだそうです。若年性皮膚筋炎は原因不明の自己免疫疾患であり、遺伝的背景に感染症、予防接種、薬剤投与などの環境因子が関与して発症すると考えられています。治療はステロイド剤が中心で、実はタクロリムスなども使用されます。妊娠中のタクロリムスと若年性皮膚筋炎の因果関係は全く不明ですが、今回の様な事例がある事を、患者さんの許可が得られましたので、念のため報告したいと思います。