杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

日本生殖免疫学会参加報告

2015/11/23

11月20日から22日まで、熊本で開催された日本生殖免疫学会に参加しました。金、土曜日と休診にして、皆様にはご迷惑をおかけしました。学会では、不育症セッションの座長を務め、さらに当院研究所から2演題の発表をしました。当院の演題名は「不育症患者におけるプロテインSに対する自己抗体のエピトープマッピング」と、「不育症患者における抗第XII因子抗体はEGF2ドメインを認識する」でした。他大学の発表で一番興味深かった演題は、神戸大の発表で、抗PE抗体、第XII因子欠乏、プロテインS欠乏などの妊婦の無治療での妊娠帰結は、妊娠高血圧症候群、妊娠高血圧腎症や、それに伴う早産率が高いというものでした。残念な事に、いまだにこれらの血液凝固系リスクファクターを測定不要、治療不要であるという持論を持っている医師が少数いますが、神戸大の今回の研究は、プロスペクティブスタディ(前向き研究)という一番信頼性の高い研究法ですので、信憑性はかなり高いと思います。私が発見した抗PE抗体の新しい病原性も証明してくれたので、嬉しい限りです。このデータにより、これらのリスクファクターの陽性妊婦の妊娠中の低用量アスピリン療法や、ヘパリン療法が必要である事が再確認され、もしかしたら、妊娠末期までの治療継続が必要である事も示唆されました。

ところで、学会中にはくまモンも来場しました。また、座長には学会から記念品が贈られたのですが、白衣を来たくまモンのバックでした。座長しか貰えない物なので、羨ましがられています。写真を貼ります。

www.sugi-wc.jp/column/webdir/139.html


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