杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

現在当院で行っている検査一覧と、当院独自の検査の解説。

2019/06/15

現在の当院の検査一覧です。当院併設の研究所で行っている検査も多く、他院では出来ない最先端の項目が多くあります。他院と同じ検査項目も、抗リン脂質抗体やプロテインS活性などの血液凝固系検査は、併設研究所で採血直後に検体処理したり測定したりしていますので、検査会社に外注するよりもはるかに正確に測定可能です。また、他院でやっていて当院でやっていない検査があるとしたら、それは当院で出来ないのではなく、エビデンスが乏しく、不適切と判断したからです。ビタミンD、銅、亜鉛、Th1/Th2、NK細胞活性などは、検査は簡単に出来ますが、リスクファクターとしては末梢的であったり、検査法が不適切であったりで、採用していません。全て否定する積もりはありませんが、これらの検査で異常があった場合、それが原因だと思い込む事により、不必要な治療が行われ、その間、もっと重要なリスクファクターを見落とし、本当の原因追求、治療が停滞するので、かえって患者の不利益になる可能性を危惧しています。過ぎたるは及ばざるが如しです。実際、時間と費用を浪費した後、当院を受診される方が非常に多いです。もし必要な検査があれば、いつでも当院で採用して行きます。
他院ではあまりやっていない当院独自の検査については、赤字で解説します。
他院でやっていない検査と言っても、多くは、国際的には認知されている検査であり、当院の論文も含め、英語の医学論文が多く発表され、それなりのエビデンスのある検査ばかりです。皆さんに検査を行い、得られた知見は全て学会や、英語論文にして発表し、さらにエビデンスレベルを上げて不育症診療の進歩に貢献したいと思います。抗PE抗体も私が発見し、その様にして今では検査が全国に普及しました。これからも新しい不育症の原因と検査の開発をし、皆さんに最先端の診療を提供したいと思います。
誤解の無い様に申し添えますが、当院の検査項目が多いのは、過剰診断、過剰治療を防ぐためです。一つの検査項目のみ異常の出た場合、それが原因と決めつけて治療する事は過剰診療のもとです。当院は、一つの原因を複数の検査で引っ掛けて過剰診療を防ぐという方針です。また、これだけ多くの検査を行い、全て異常が無ければ、異常無しという診断を、自信をもって行う事ができます。
 
・血球計算: 平均血小板容積 (MPV) 含む
(MPV検査は、平均血小板容積の事で、他院ではあまり見ていない様です。血小板消費を反映します。実は非常に有益な検査です。)
・PT (血液凝固系検査で最も基本的な検査です)
・aPTT (血液凝固系検査で最も基本的な検査です)
・フィブリノーゲン (少ないと、不育症の原因になる事があります)
・ループスアンチコアグラント (dRVVT法)
  (この検査は、採血直後に遠心分離して血小板を除去しないと全く意味があり
ません。それをやっている施設は、殆どないのが現状です。)
・ループスアンチコアグラント (PTT-LA®を用いたaPTT法、mixing test)
  (この検査は、国際学会のガイドラインに準拠して院内研究所で測定しています
が、おそらく日本では一部の大学病院内科でしか測定していないと思います。)
・抗カルジオリピン-β2GPⅠ複合体抗体IgG (β2GPⅠ依存性と非依存性)
  (β2GPI非依存性抗体は、検査会社にお願いして特別に測定してもらっています。)
・抗β2GPⅠ抗体IgG, IgMこの検査は、国際学会のガイドラインでは必須の検査ですが、やっている施設は殆どありません)
・抗カルジオリピン抗体IgG (MBL)
・抗カルジオリピン抗体IgM (MBL)
・抗PE抗体IgG (kininogen依存性と非依存性)(私が発見した抗体で、検査法も開発しました。)
・抗PE抗体IgM (kininogen依存性と非依存性) (私が発見した抗体で、検査法も開発しました。)
・抗フォスファチジルセリン・プロトロンビン複合体抗体 IgG, IgM
  (この検査は、最近国際学会で注目されている検査です。非常に高価な検査
ですが、当院は患者数が多いので、検査会社に交渉し、かなりのディスカウント
に成功しました。この検査を採用している施設はまだ僅かです。)
・第ⅩⅡ因子活性(正確に測定するには、採血直後の処理が必要です
・プロテインC活性(正確に測定するには、採血直後の処理が必要です)
・プロテインC抗原量(正確に測定するには、採血直後の処理が必要です)
・プロテインS活性(正確に測定するには、採血直後の処理が必要です)
・プロテインS (総抗原量)(正確に測定するには、採血直後の処理が必要です
・free T4 (甲状腺検査)
・TSH (甲状腺検査
・グルコ-ス (血糖値)
・ヘモグロビンA1c(糖尿病検査)
・RPR(梅毒検査、抗リン脂質抗体があると偽陽性になる)
・抗核抗体(免疫のバランスを見る指標)
・血小板凝集能(レーザー散乱粒子計測法)
  (この機械は高価なため、私の知る限りでは不育症患者の検査に使っている施
設は全国で当院を含めて数カ所しかありません。普通の血小板凝集能検査の
100倍の感度があります。私が10年以上前に導入し、広めました。当院では、
γ-トロンビンで刺激する事により、さらに感度を高める事に成功しました。)
・抗第XII因子抗体IgG, IgM (ウェスタンブロット法)
  (この抗体の検査は、当院以外では出来ません。不育症、着床障害の新しい原因として、厚労省研究費で開発しました。AMED不育症研究班でも注目されている最先端の検査です。)
・抗プロテインS抗体IgG, IgM(ウェスタンブロット法)
  (この抗体の検査も、当院以外ではできません。不育症、着床障害の新しい原因として、厚労省研究費で開発しました。AMED不育症研究班でも注目されている最先端の検査です。
・子宮動脈ドップラー検査(超音波検査)
  (この検査は、良い超音波の機械を持っていないと出来ません。岡山大不育症
外来の得意な検査で、私も教わって始めました。)


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