杉ウイメンズクリニック

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不育症、習慣流産、反復流産 杉ウイメンズクリニック | 院長コラム

現在の初診予約状況報告など。皆さんが今までに受けた不育症検査の信頼性を確認する方法教えます。

2011/01/26

正月明けの妊娠ラッシュが終わり、やっと外来が落ち着きましたので、久しぶりに書き込みます。次の妊娠ラッシュは、サッカーの日韓戦で盛り上がった昨日から約3週間後と予想しています。去年のワールドカップの時もそうでしたし.......。
初診予約は、相変わらず5ヶ月待ちで、現在6月末です。非常に正確に5ヶ月後をキープしているというのも、不思議ではあります。例によって、キャンセルも多い様で、キャンセル待ちで非常にラッキーな人もいるようです。
当院の初診予約を待ちきれず、他院で検査を受けてから来院される方もしばしばいますが、例によって当院で再検査になる事が多いです。何故ならば、血液凝固系検査がきちんと行われていない事が多いからです。血液凝固系検査は、採血した直後から血液は固まろうとするので、正確なデータを得るために採血から検査に至るまで細心の注意が必要です。したがって、一般病院で当院の不育症検査項目をそのままそっくり検査しても信頼性の高い結果を得る事はできません。血液凝固系学の高度な知識が必要です。
ここで、皆さんが今まで受けた血液検査の信頼性を確かめる方法を一つ教えます。抗リン脂質抗体の検査で、ループスアンチコアグラントという項目がありますが、dRVVTという方法で検査した場合、正常値は1.3未満なのですが、この検査結果が0.9など、1.0を切っている場合は、その施設の血液凝固系検査は信用できない可能性があります。理論的にはあり得ない数値だからです。この検査は、国際学会で測定法の取り決めがあり、採血の仕方、その後の処理が厳しく決められています。その方法は、国際血栓止血学会誌に載っています。当院では、この検査はすでに2500回は提出していますが、今まで1.0を切った事はありません。にもかかわらず、不育症外来のある大学病院でも1.0未満の結果がでる事が多いようです。困った事です。皆さんが、今まで受けた不育症血液検査の信頼性を確認する非常に良い指標になると思います。参考にして下さい。

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